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インパクトの強かった介護保険制度改正を振り返る

定期的に介護保険制度は改正され、その改正内容は介護報酬制度へ強く影響する。

介護保険制度の変更は、日本における医療・介護の課題を見据えて行われることから、その改正内容を読み解くことは、介護保険事業の将来計画や各専門職の働き方のヒントとなる。

今回は、インパクトの強かった過去の介護保険制度改正の概要を確認し、振り返りたい。

2005年の制度改正
介護保険給付率が急上昇していることから、制度の持続可能性が危惧され、次の項目が検討された。
1)予防重視型システムへの転換
2)施設給付の見直し
3)地域密着型サービスや地域包括支援センターの新設
4)サービスの質の向上
5)負担のあり方

本制度は、2006年の介護報酬改定に反映された。

特に、介護保険において介護予防の概念が導入され、要介護状態への移行を予防することが介護保険の役割に追加された

要介護者だけでなく、要支援者が定められ、地域包括支援センターが介護予防マネジメントを行うことになった

2011年の制度改定
「地域包括ケアシステム」の実現に向けた制度改定が行われた。
1)医療と介護の連携が推進された
2)介護人材の確保と質の向上
3)高齢者の住まい整備
4)認知症対策の推進

本制度改正は2012年度の介護報酬改定に反映された。

高齢者の住まい整備に関して、「サービス付き高齢者向け住宅」の整備に関する政策が推進され、老老介護、独居老人への対応が強化された。

また、サービス付き高齢者向け住宅ともに、定期巡回・随時対応型訪問介護看護も導入され、在宅ケアがより推進されることになった。

地域包括ケアシステムの概念が色濃く反映された制度改正であり、介護保険の歴史において重大な意味を持つ制度改正となった。

2014年の制度改正
地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」が制定され、その影響を受けた制度改正となった。

地域包括ケアシステムをより推進するために、急性期医療から在宅医療の連携、介護予防や生活支援を各市町村の地域支援事業への移行、特別養護老人ホームの入所が重度者に制限されるなどの改正がなされた。

本改正は2015年度介護報酬改正に反映された。

訪問看護・通所リハビリ・通所介護・特別養護老人ホーム等の役割が明確化された。

また、通所リハビリや訪問リハビリに関しては、心身機能、活動、参加への取り組みが明確に設定され、介護保険リハビリテーションがより質の高いものが求められることになった。

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このように時の日本経済の事情や政権により、介護保険制度は変更されていく。

2018年度には診療報酬・介護報酬のダブル改定が予定されている。

過去の政策を理解することは、新しい政策をより理解することに繋がる。

どのような政策が踏襲されて、あるいは捨てられたかを知ることは、今後の働き方を選択するうえで重要なものである。

特に、過剰供給が懸念される理学療法士、作業療法士、言語聴覚士にとっては、介護保険改正の変化を十分に知り、未来への対応を急ぎたい。