2014112420

医療・介護費用抑制の基本原理

2025年問題への対応の基軸にあるのは医療費・介護費の圧縮である。

医療費・介護費の圧縮は久しく叫ばれており、日々、当たり前のように聞こえてくるため多くの医療・介護従事者にとって特別な関心を持たないものになっているのではないだろうか?

医療費・介護費用の圧縮は今後も引き続き継続され、医療・介護分野で「飯」を食べている理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にとっては極めて重要な問題であり、このことから目を逸らさずに問題意識を持つべきである。

さて、医療・介護費用の圧縮とは本質的にはどのようなものであるか?

医療経済学の世界では以下の式が使われる。

医療費=P×Q

P 医療サービス単価
Q 消費される医療サービスの量

現在の日本は Pも安くして、さらにQを低減させる手段を模索している。

実は、Qに関しては、日本はあまり調整をしてこなかった。

現在も、医療はフリーアクセスである。

厚生労働省の発表では、高齢者においては、同一疾患で複数の医療機関にかかるケースが非常に多く、そのため、複数の医療機関から同一効用の薬を大量に処方されていることが後を絶たないと言われている。

そのため、近年の診療報酬改定では、かかりつけ医師の強化、薬の減薬、大病院の外来受診抑制などの政策が導入され、医療のフリーアクセスにある意味歯止めを効かせようとしている。

2273b9b299ec69b8921b724176d9c65b_s

日本の医療費高騰の原因は他にもある。

先進諸国と比較して
外来受診者が多い
急性期の平均在院日数が長い
急性期病院が多い
CTやMRIなどの高額医療機器が人口当たり最も多い
日本人の健康増進対する意識が低い
などが挙げられる。

それでは、今後、日本ではどのような政策を基軸として医療費・介護費の低減が図られていくのだろうか?

それは、リハビリテーション業界ではなじみ深い「Pay For Performance」である。

ADLの改善
生活行為の獲得
在宅復帰率向上
などのリハビリテーションの質により医療機関や介護事業所に支払う報酬を増減させる方法である。

また、今後はエビデンスに基づく医療・介護がより重視される傾向となる。

科学的な検証によりエビデンスレベルが担保できないサービスは、保険内サービスからは脱落していく。

6単位以上のリハビリテーション
長期間の通所リハビリテーション
目標設定の見えないリハビリテーション
などは、保険適応対象から外される可能性が高いだろう。

むろん、リハビリテーションは科学的なエビデンスだけで語れるものではない。

患者や利用者の思いや価値観もリハビリテーションサービスでは求められる。

ただし、患者や利用者の思いや価値観から必要とされるリハビリテーションサービスは今後、保険外サービスに移行していくと考えられる。

つまり、今後は保険内サービス・保険外サービスのリハビリテーションが社会に存在する時代になる。

医療費・介護費用の圧縮により理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の働き方は変わらざる得ない。