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地域包括ケア病棟の手術・麻酔にかかる費用が包括外となるとリハビリテーション医療のマーケティングが変わる

2016年1月27日 中央社会保険医療協議会にて2016年度診療報酬改定の個別項目について発表がされた。

その中で、地域包括ケア病棟の手術と麻酔の費用が入院料から包括外となることが言及されている。すなわち、地域包括ケア病棟にて手術を要する医療必要度が比較的高い入院患者を受け入れることが可能となった訳である。

地域包括ケア病棟 手術出来高2016年1月27日 中央社会保険医療協議会資料

このことによって、既存のリハビリテーション医療のマーケティングに影響が出ると考えられる。

地域包括ケア病棟は、2014年度診療報酬改定で新設された病棟である。

この病棟はリハビリテーションが包括化され、70%の在宅復帰率の要件が課せられている。

すなわち、従来、回復期リハビリテーション病棟が担っていたリハビリテーションの提供と在宅復帰を行う役割を、地域包括ケア病棟も担うことになった。

一方、回復期リハビリテーション病棟の入院患者には疾患等の条件があり、あくまでもリハビリテーションの適応があることが建前上の前提となっている。

しかし、地域包括ケア病棟は入院患者の要件に疾患や発症時期の縛りがなく、比較的、入院基準のハードルが低い。

近年、回復期リハビリテーション病棟の運営では、
回復期リハビリテーション病棟の乱立や自院急性期機能の低下などにより回復期リハビリテーション病棟適応の入院患者が集まりにくいことや、
廃用症候群のレセプトが査定される
などの問題が多発している。

地域包括ケア病棟では、急性期だけでなく、地域の施設や自宅からの患者が受け入れ可能であり、かつ、疾患の縛りがないというマーケティング上のアドバンテージが存在する。
その上、2016年度改定で、大腿骨頚部骨折等の手術が当該病棟にて、出来高で算定できるということになると、回復期リハビリテーション病棟よりマーケティングや収益面におけるアドバンテージがさらに強くなる可能性もある。

ただし、地域包括ケア病棟にも課題が無いわけではない。
地域連携にしっかりと取り組まなければ、地域からの入院患者の受け入れや退院支援が困難になる。

リハビリテーション医療を事業の中心としている医療機関においては、今後、回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟のどちらに力を入れるかの決断が迫られる時が近づいている。