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患者・利用者が求めているのは関節可動域練習ではなく、リハビリテーションである

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の仕事を考える上で、患者や利用者が求めている「ベネフィット」を無視することはできない。

患者や利用者が求めているのは、
関節可動域練習・筋力強化練習・歩行練習・ADL練習・IADL練習ではない。

患者や利用者のニーズは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が行う医療技術サービスではなく、そのサービスから得られるリハビリテーションという効果である。

患者や利用者が望む生活や人生の質を実現することが重要であり、決して個別の医療技術サービスを求めているのではない。

このことを理解していると、リハビリテーションのアプローチの選択肢が広がる。

なぜならば、患者や利用者が求めている生活や人生の質を満たすためのアプローチは沢山存在するからである。

リハビリテーションというニーズを忘れてしまうと、セラピストが特定の技術にこだわり、技術を提供することが目的となってしまう。

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例えば、嚥下機能の低下を認める患者がいたとする。

担当の言語聴覚士は口腔周囲のマッサージや刺激などを行うが一向に嚥下機能は改善されない。

口腔周囲のマッサージや刺激などが、言語聴覚士の仕事であると考えている場合は、一向に嚥下機能が改善されないことに何の疑問を持たないだろう。

なぜならば、言語聴覚士としての仕事はしているつもりだからだ。

しかし、患者や利用者の真のニーズが、生活や人生の質であることを知っている言語聴覚士なら、看護師、作業療法士、理学療法士に嚥下機能に関するアプローチや方針について相談を行い、患者や利用者のリハビリテーションを達成しようと試みる。

自分の仕事の目的を狭小化しているセラピストは、リハビリテーション業界では生きていくことが難しい時代になっている。

なぜならば、時代は地域包括ケアシステムに向かっており、包括的・統合的な患者・利用者への関わりが求められているからである。

特定の技術提供が目的になっているリハビリテーション現場は、真のリハビリテーションをしているとは言えない。