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摂食機能療法対象の拡大が意味すること

2016年度診療報酬改定にて、摂食機能療法の対象者が拡大された。

従来は、発達遅滞・顎切除・舌切除・脳血管障害等の患者に限って算定することが出来た。

しかし、2016年度診療報酬改定にて、上記の患者に加え、内視鏡下嚥下機能検査、嚥下造営検査によって嚥下障害が確認された者も算定の対象となった(下図)。

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摂食機能療法は急性期病棟・回復期病棟・地域包括ケア病棟・療養病棟でも算定することが出来る。

2025年以降、後期高齢者の入院が急速に増加してくる。

そのため、全ての医療機能の病棟で高齢者特有の問題への対処が必要となる。

高齢者特有の問題とは、嚥下障害と認知症である。

嚥下障害と認知症は退院を阻害する大きな要因である。

そのため、摂食機能療法を積極的に行うことで、高齢者の誤嚥性肺炎や低栄養状態を防止し、在宅復帰を円滑にすることが期待されている。

摂食機能障害の算定要件の一つに次のような記述がある。

摂食機能療法は、摂食機能障害を有する患者に対して、個々の患者の症状に対応した診療計画書に基づき、医師又は歯科医師若しくは医師又は歯科医師の指示の下に言語聴覚士、 看護師、准看護師、歯科衛生士、理学療法士又は作業療法士が1回につき30分以上訓練指 導を行った場合に限り算定する。

つまり、摂食機能への介入は言語聴覚士だけでなく、理学療法士、作業療法士も期待されているということである。

果たして、理学療法士、作業療法士は言語聴覚士や看護師と同等に嚥下に関する知識や知見を持っているだろうか?

姿勢・呼吸・上肢機能などはすべて嚥下機能に関係してくる。

つまり、理学療法士・作業療法士でも十分に摂食機能障害に関わることが出来る。

入院患者の高齢化が進めば進むほど、セラピストの能力は多様性が求められる。

その一つが、摂食機能障害への対応である。

摂食機能療法の対象の拡大は、セラピストの摂食障害への対応を期待していると言っても過言ではない。