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2015年12月25日中央社会保険医療協議会 総会におけるリハビリテーション関連協議 その2(支払い側意見)

2015年12月25日に開催された中央社会保険医療協議会 総会にて、2016年度診療報酬改定に関する意見交換が行われた。この日は支払い側の委員より、本改定における意見が提示された。リハビリテーションに関する意見が数多く出ており、PT・OT・ST未来ミッションではその内容について掲載をしていく。

今回は回復期リハビリテーション病棟の単位数、廃用症候群の新たな類型、維持期リハビリテーションの整理に関する意見を掲載する。

リハビリテーションに関する支払い側の意見
(1)回復期リハビリテーション病棟の単位数
回復期リハビリテーション病棟のリハビリについては、患者のADLの向上度合いといった
医療機関毎の実績に着目して評価する体系へ転換すべきである。
具体的には、一定の実績基準を下回る医療機関においては、1日6単位を超える疾患別リハビリテーションの提供を入院料に包括するとともにリハビリテーション充実加算の算定対象から除外すべきである。

PT・OT・ST未来ミッションの解説
2015年12月2日の中央社会保険医療協議会にて、9単位のリハビリテーションが問題視された。9単位を行っていてもADLの改善への寄与が少ないとのデータが提出され、回復期リハビリテーション病棟の基本算定単位は6単位で良いのではないかという意見が提示された。全面的に9単位が禁止されることは、各方面への影響が大きすぎるために、ADL改善のアウトカムによって6単位か9単位の算定を認めるという方針が検討されているのではないかと推察される。

(2)廃用症候群の新たな類型
廃用症候群に対するリハビリテーションは現行の評価を維持したまま独立した項目とし、他の疾患を有していても廃用症候群に該当する患者に対しては廃用症候群のリハビリが提供されるようにすること、及び「急性疾患に伴う安静によって生じた廃用症候群」の基準を明確化するなど、他の疾患別のリハビリと併せて患者の状態像に応じたリハビリが適切に行われるために運用の適正化を図る必要がある。また、運動器不安定症の「長期臥床後の運動器廃用のみ」の場合については、医師の診断により回復の見込みのある患者を対象とし、要介護度が比較的高い患者等「現状維持」を目的とするリハビリテーションとの整理が必要である。
なお、「急性疾患に伴う安静によって生じた廃用症候群」に対するリハビリテーションと「長期臥床後の運動器廃用のみ」に対するリハビリテーションとでその評価に差をつけるべきである。

PT・OT・ST未来ミッションの解説
廃用症候群に関しては、他の疾患別リハビリ料に該当する疾患が原因の場合、リハビリテーション料が算定できないという不具合が生じていた。また、運動器不安定症に関しても、リハビリテーションを算定するための乱用が懸念されていることから、医師が回復の見込みという基準を明確にしたいと考えている。さらに急性期疾患後の廃用症候群と長期臥床後の廃用症候群では点数の差が設けられ、廃用症候群の段階別評価が行われると考えられる。

(3)維持期リハビリテーションの整理
維持期のリハビリテーションについては、医療と介護の役割分担の明確化の観点から経過措置の延長は行わないこととし、移行対象外とされているものを除き介護保険への移行を進めるべきである。また、移行の推進を目的とした評価を新設する場合は、介護保険リハビリテーション移行支援料等の既存の評価を整理する必要がある

PT・OT・ST未来ミッションの解説
現在、厚生労働省は介護保険被保険者における維持期リハビリテーションにおいては、算定上限日数を超えた場合、完全に介護保険へ移行することを目指している。しかしながら、現状の介護保険制度で維持期リハビリテーションを行うためには様々な課題(STが少ない、地域に整備されていない、デイケアの質の問題)があることは否めない。そのため、介護保険への移行の推進を目的とした新たな評価体制が設けられることに、とどまるのではないかと推察される。