回復期リハビリテーション病棟の単位数制限の追加措置が現実味を帯びる

2016年度診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟への単位数取得への縛りを設ける施策として、FIM利得のアウトカム指標が導入されたことは記憶に新しい。

しかし、FIM利得による単位数取得制限の効果は限定的であり、想定していたより効果を発揮しなかったとの声が出ている。

実際、ADLのレベルを上げるだけでなく、在棟日数を調整すればFIM利得の数値コントロールは可能であり、多くの病院はこの手法を用いてFIM利得の調整をしている。

よって、2018年度改定では回復期リハビリテーション病棟の単位数取得制限への新たな手法が模索されている。

多くの回復期リハビリテーション病棟は施設基準より、遥かに多いPT・OT・STを配置させている。

したがって、セラピストの人件費を回収するためには、単位数を限界まで取得する必要がある。

経済的に考えれば、この考えは至極当たり前であり、現時点においては回復期リハビリテーション病棟が責められるべき問題ではない。

今後は、回復期リハビリテーション病棟に多く配置されたセラピストの配置転換や業務内容の変更を行うことによって、単位数取得制限を行って行く可能性がある。

厚生労働省は、単位数は在宅復帰に大きな影響を与えないというデータを提示している(図1)。

単位と在宅復帰率

図1 リハビリテーション単位数と在宅復帰

また、週間当たりのリハビリテーションの提供回数を増やすと在宅復帰が促進されるというデータも示している(図2)。

リハ提供回数

図2 1週間当たりの介入回数と在宅復帰率

すなわち、一日当たりの単位数ではなく、週間当たりの介入回数が在宅復帰には重要であるという考えを厚生労働省がチラつかせているのだ。

また、2018年度改定では、回復期リハビリテーション病棟と通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションの連携を評価する方向性が明示されている。

したがって、次のような方法で回復期リハビリテーション病棟の単位数取得制限を行う可能性が予測される。

1 回復期リハビリテーション病棟は単位数を評価を低減化させ、365日リハビリテーションを評価する。

2 単位数を低減化させることにより生じる余剰人員は通所リハビリテーション・訪問リハビリテーションへ配置転換をして、在宅支援においてリハビリテーションを提供することを推進する。

この2つの方法とFIM利得のルールを組み合わせる手法が2018年度改定で行われる可能性がある。

どのような状況になっても環境に適応できる組織運営が必要である。

もし、人員を多く抱える回復期リハビリテーション病棟が制度変更に適応できないとなると多くのセラピストのモチベーションが下がり、組織運営に大きな支障をきたす可能性が高いだろう。

 

 

 

 

 

 

PT・OT・ST協会の要望から見る新しい働き方

平成29年9月6日水曜日に開催された第146回社会保障審議会介護給付費分科会にて日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会より次期改定に向けて要望が提案された。

厚生労働省は各団体の要望を聞いたうえで、国策として有用なものと判断すれば診療報酬・介護報酬改定に反映をさせていく。

したがって、各団体からどのような要望が出ているのかを先取りすることは、自身のキャリア開発を優位に進めていく上で重要である。

たとえ、各団体の要望が診療報酬や介護報酬に反映されなくても、要望されている内容の働き方が医療や介護の現場では求められていると言える。

第146回社会保障審議会介護給付費分科会では、図1に示すような理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の関りが示唆された。

要約すれば
予防的対応
回復から社会参加対応
重度化防止対応
QOL改善対応
と言えるだろう。

PT OT STの関わり方

図1 PT・OT・STの状態像に応じた関り

 

また、理学療法士協会は図2に示す内容を厚生労働省に提案している。

訪問看護ステーションに所属する理学療法士等による介護予防・日常生活支援総合事業への助言等の活動を提案している。

今後、要支援・要介護者のリハビリテーションは介護予防・日常生活支援総合事業に移行していく可能性が高い。

しかし、この事業には専門職の関りが少なく効果的な運営が危惧されていることから、訪問看護ステーションなどの専門職による関りは今後必要とされる可能性は高い。

訪問看護ステーションにおけるリハビリテーションの在り方も今後議論されていく可能性も高く、今回の日本理学療法士協会の提案は議論へ一石を投じるものである。

訪問看護の活かし方

図2 訪問看護ステーションの総合事業への関り

日本作業療法士協会は図3に示すような内容を要望している。

中重度者に対する車椅子シーティングや環境調整に対する評価を求めている。

在宅復帰や施設看取りの推進により、中重度者への対応は大きな課題である。

そのため、車椅子シーティング・ポジショニング・トランスファーの重要性が高まるばかりである。

中重度者対応に関しては理学療法士による呼吸・循環機能へのアプローチだけでなく、作業療法士の環境調整も極めて重要である。

重症者対応

図3 中重度者への対応

 

必要とされる技術は時代と共に変遷する。

後期高齢者が急激に増加する2025年まで後8年。

リハビリテーション専門職のイノベーションが求められている。

 

地域医療構想の議論が本格化!
介護分野の医療・重度化対応が進むとPT・OT・STの働き方は大きく変わる!

地域医療構想の議論が進んでいる。

地域医療構想とは
医療介護総合確保推進法(2014年)により都道府県に策定が義務化されたもので切れ目のない医療・介護サービスの体制を築く目的で、地域ごとの将来の医療需要と病床の必要量を推計し、病床数を適正化していく構想
である。

2017年度末に向けて、二次医療圏ごとの必要病床数を定めていくことになる(下図)。

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厚生労働省資料 地域医療構想の進め方

地域医療構想の中心的な議論は
急性期病床の削減

慢性期医療の在宅医療・介護保険への移行である。

端的に言うと、日本は人口減少社会であり、高度な急性期が必要な患者が減るため不要な急性期病床が増え、在宅医療や介護保険での対応が可能な患者が増えるということである。

「急性期病床や慢性期病床を減らして、在宅医療や介護保険の利用者を増やす」と言うのは、簡単であるが、現場で働く医療・介護職にとっては一筋縄ではいかない問題である。

なぜならば、在宅医療や介護の現場に医療的対応や重度化対応ができるスタッフがいなければ、この話は成立しないからである。

しかし、在宅医療や介護の現場の医療的対応・重度化対応は遅れている。

医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護福祉士の在宅医療や介護における教育は圧倒的に不足している。

リハビリテーション分野で言えば
フィジカルアセスメント
在宅で回復を促すプログラム
動作分析
福祉用具
車椅子シーティング
呼吸・循環
薬剤
移動介助
ポジショニング
ターミナルケア
などは教育が遅れている分野である。

地域医療構想は、病床のコントロールを通じて市場で働く医療・介護従事者の新たな働き方を強く要求していると言える。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士と言う資格を振りかざしても何の意味もない時代が足をと立てて近づいていると言える。

軽度者向けリハ技術と中重度者向けリハ技術が市場で武器になる時代

2018年度介護報酬改定に向けて慌ただしくなっている。

特に、自立支援介護や要介護度改善に対するインセンティブ支給に関する議論が活況しており、今後の行く末が注目される。

自立支援介護に関しては、様々な問題点が指摘されており(下図)どのような制度になるかは不透明である。

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しかし、今後、軽度者向けのサービス・中重度者向けのサービスという2つの類型が洗練されていくことは間違いないだろう。

2015年度改定にて通所リハビリテーションに導入されたリハビリテーションマネジメント加算Ⅱや生活行為向上リハビリテーション実施加算のような軽度者向けの加算や通所リハビリテーション、通所介護に導入された中重度者加算のような中重度者向けの加算が新設されており、軽度者向け・中重度者向けサービスに対するインセンティブ加算は2018年度も強化されるだろう。

したがって、セラピストのリハビリテーション技術も加算内容に対応できるものが望ましい。

軽度者と中重度者では求められるリハビリテーション技術の内容は大きく異なる。

現状、セラピストは卒前・卒後において軽度者向けリハビリテーションの技術を多く学んでおり、中重度者向けリハビリテーション技術を学ぶ機会は圧倒的に少ない。

車椅子シーティング・ポジショニング・住宅改修・摂食嚥下・呼吸循環・拘縮予防・認知症などのリハビリテーション技術が今後益々注目されるだろう。

また、軽度者向け支援も、要介護度の改善や生活機能の改善など高い次元の領域に入っており、より質の高い基本動作・応用動作あるいは活動・参加に対するリハビリテーションが求められている。

自立支援介護では、介護サービス提供場面での自立を促す取り組みが強化される可能性が高い。

そうなれば、看護職・介護職に対する適切な助言がセラピストには求められ、高いADL能力の洞察力とコミュニケーション能力が必要となる。

護報酬・診療報酬改定は働くセラピストにとってはリハビリテーション技術の改定である。

今一度、ご自身のリハビリテーション技術の棚卸をしてはいかがだろうか?

 

 

日本看護協会 2018年度介護報酬改定 訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問に関する要望

2017年7月10日に日本看護協会より2018年度介護報酬改定に関する要望書が厚生労働省に提出された。

詳細はここを参照されたい。

この中において、訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問件数が著しく増えていることが問題提起されている(図1)。

kangoyoubou図1 日本看護協会 平成30年介護報酬改定に関する要望書

ただし、この要望書より、「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の訪問の何が問題なのか?」ついて明確に記載されておらず、単純に件数が増えていることに対する懸念があるように感じる内容である。

また、文面には中重度者やターミナル利用者に対するリハビリテーションが期待されると記載されている。

つまり、言い換えると、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は軽度者への訪問ばかりしており、訪問看護の役割を果たしていないと言っているに等しい。

また、2018年度介護報酬改定では、理学療法等と看護師が共同で訪問し、アセスメントを行うことを提案している。

実は、2008年にも訪問看護ステーションからの理学療法士らの訪問を制限する動きがあった。

同年の厚生労働省による疑義解釈で以下のようなものが提示された(図2)。

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dd図2 2008年 介護報酬改定関係Q&A

このような経緯を鑑みると、訪問看護ステーションからの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の訪問に関して反対する勢力が存在すると見るのが妥当であろう。

しかし、訪問看護ステーションから理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を排除することは社会にとって本当に有意義なことであるか?

看護師とは違う専門性
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のみで業務を行う効率性
一つの訪問看護ステーションに多職種がいる価値

これらを考えれば、社会保障費圧縮の観点からも訪問看護ステーションに理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は必要と考えられる。

2018年度介護報酬改定にて、どのような判断が示されるか?

訪問看護ステーションの問題は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の存在価値や働き方に大きく影響を与えることから、その動向が注目される。

 

回復期リハビリテーション病棟退院後1か月でADLは低下する

平成29年7月21日に行われた入院医療等の調査・評価分科会にて地域包括ケア病棟および回復期リハビリテーション病棟の議論が行われた。

回復期リハビリテーション病棟では以下の問題点が議論の中心となった。

1)全病棟機能の中で回復期リハビリテーション病棟は7:1急性期に次いで日当点が高いこと
2)自立した高齢者が入院患者全体の20%を占めること
3)入院基本料3の病棟において在宅復帰率は極めて低いケースが散見すること
4)入院基本料1が2と3と比較して在院日数が長いこと
5)回復期リハビリテーション病棟退院後1か月でADLが低下すること

いずれにしても回復期リハビリテーション病棟に対する風向きはさらに厳しいものになると想像される。

今回は「回復期リハビリテーション病棟退院後1か月でADLが低下すること」について取り上げてみたい。

FIM運動項目の合計点数が
退院時 平均75.1点
退院1か月後 平均73.5点
であり、僅か1.6点のマイナスが認められる。

特に、整容・清拭・更衣動作・階段昇降で有意に低下する傾向が認められている。

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入院医療等の調査・評価分科会資料(平成29年7月21日)

 

たかが、1.6点、されど、1.6点と中医協は判断していると考えられる。

実は、介護給付分科会にて「通所リハビリテーションと訪問リハビリテーションスタッフの入院患者への事前訪問と早期利用」が検討されている。

次期同時改定では回復期リハビリテーション病棟の退院直後からの通所リハビリテーションと訪問リハビリテーションの利用が推進される可能性がある。

退院後1.6点のADLの低下は、在宅における大きなADL低下の前兆であり、その低下を防止することが介護度の悪化を防ぐという論理が展開されると予想される。

回復期リハビリテーション病棟の役割は、入院患者のFIMの利得だけでなく、退院後のマネジメントにもシフトしている。

2015年度介護報酬改定では、活動・参加への評価が顕著であったが、2018年度の同時改定では、要介護度の改善に視点が置かれていることから、回復期リハビリテーション病棟の退院後マネジメントに白羽の矢が立っている。

 

 

 

 

 

 

2018年度介護報酬改定シリーズ
訪問リハビリ・通所リハビリの位置づけが変わる

2018年度介護報酬改定に向けて社会保障審議会 介護給付費分科会の議論が活発になっている。

2017年6月に入ってから、訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションの議論が進んでおり、一定の方向性が見えている。

訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションともに、退院早期からの利用に関する論点が議論されている(下図:平成29年6月21日 介護給付費分科会資料)。

退院早期から訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションを利用した方がADLの回復が望めること

入院患者への訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションスタッフの訪問により、在宅リハビリテーションの適応の判断がしやすいこと

などが議論されている。

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近年、訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションは、地域包括ケアシステムにおける立ち位置が議論されてきた。

訪問リハビリテーションと訪問看護ステーションの違い

通所リハビリテーションと通所介護の違い

が明確になっておらず、利用者・ケアマネージャー等が機能的な違いを明確に認識してないことが問題となっていた。

2018年度介護報酬改定では、訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションは退院後のリハビリテーションを担う在宅回復期の役割を担っていく立ち位置へと変化していくと予想される。

訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションの立ち位置が明確になれば、自ずと訪問看護ステーションと通所介護の立ち位置も明確になってくる。

また、診療報酬改定でも医療機関と介護事業所の連携を緊密にする施策が、多々、導入されている。

特に、2016年度診療報酬改定で導入された退院支援加算Ⅰは、医療機関と介護事業所の連携を強く促すものである(下図)。

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したがって、訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションの医療機関との連携は診療報酬・介護報酬の制度における整合性が得られており、次期改定では退院後の訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションの役割はさらに増していくと思われる。

在宅回復期という新しい分野の確立が着々と進んでいると言えるだろう。

2018年度介護報酬改定シリーズ 自立支援介護の強化

2018年度介護報酬改定では、自立支援介護の強化が盛り込まれている。

手法としては、市町村の介護保険保険者機能を強化し、行政主導で「民間事業者の質」を高めるものが想定されている。

自立支援や介護予防等の取り組みで、一定の成果が出た場合、国からの交付金を増額する財政的インセンティブの制度を導入することが決まっている。

想定されるアウトカムは
要介護認定率
要介護改善
介護給付額
地域ケア会議
などである。

このように保険者機能を強化するためには、介護報酬改定においても先に挙げたアウトカムと連動する仕組みが導入される可能性が高い。

また、介護保険領域のリハビリテーション分野では、通所リハビリテーション・訪問リハビリテーション・訪問看護の機能分化の必要性が議論されている。

つまり、自立支援介護の強化と各種リハビリテーションサービスの機能分化は、リハビリテーションサービスの在り方という共通の課題を抱えており、次期改定では自立支援介護の推進がいずれかの分野で強く推進される可能性が高い。

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特に2015年度改定で、リハビリテーションの機能強化が図られた通所リハビリテーションは、自立に重きを置いたサービスの提供がより必要とされる可能性は高い。

2015年度改定では、活動と参加に重きが置かれた通所リハビリテーションであったが、2018年度改定では、要介護度の改善という心身機能の向上に対する仕組みが導入される可能性がある。

一点、注意しなくてはならないのは、自立支援介護は、どのような方にも適応されるものではないということだ。

重症の方に自立支援を強く求めることは、ある種の虐待になりかねない。

したがって、自立支援介護が適応には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士としての評価スキルが必要となるだろう。

心身機能・活動・参加のすべてに結果を残せる通所リハビリテーションが次世代のモデルになる可能性は極めて高い。

医療・介護費用抑制の基本原理

2025年問題への対応の基軸にあるのは医療費・介護費の圧縮である。

医療費・介護費の圧縮は久しく叫ばれており、日々、当たり前のように聞こえてくるため多くの医療・介護従事者にとって特別な関心を持たないものになっているのではないだろうか?

医療費・介護費用の圧縮は今後も引き続き継続され、医療・介護分野で「飯」を食べている理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にとっては極めて重要な問題であり、このことから目を逸らさずに問題意識を持つべきである。

さて、医療・介護費用の圧縮とは本質的にはどのようなものであるか?

医療経済学の世界では以下の式が使われる。

医療費=P×Q

P 医療サービス単価
Q 消費される医療サービスの量

現在の日本は Pも安くして、さらにQを低減させる手段を模索している。

実は、Qに関しては、日本はあまり調整をしてこなかった。

現在も、医療はフリーアクセスである。

厚生労働省の発表では、高齢者においては、同一疾患で複数の医療機関にかかるケースが非常に多く、そのため、複数の医療機関から同一効用の薬を大量に処方されていることが後を絶たないと言われている。

そのため、近年の診療報酬改定では、かかりつけ医師の強化、薬の減薬、大病院の外来受診抑制などの政策が導入され、医療のフリーアクセスにある意味歯止めを効かせようとしている。

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日本の医療費高騰の原因は他にもある。

先進諸国と比較して
外来受診者が多い
急性期の平均在院日数が長い
急性期病院が多い
CTやMRIなどの高額医療機器が人口当たり最も多い
日本人の健康増進対する意識が低い
などが挙げられる。

それでは、今後、日本ではどのような政策を基軸として医療費・介護費の低減が図られていくのだろうか?

それは、リハビリテーション業界ではなじみ深い「Pay For Performance」である。

ADLの改善
生活行為の獲得
在宅復帰率向上
などのリハビリテーションの質により医療機関や介護事業所に支払う報酬を増減させる方法である。

また、今後はエビデンスに基づく医療・介護がより重視される傾向となる。

科学的な検証によりエビデンスレベルが担保できないサービスは、保険内サービスからは脱落していく。

6単位以上のリハビリテーション
長期間の通所リハビリテーション
目標設定の見えないリハビリテーション
などは、保険適応対象から外される可能性が高いだろう。

むろん、リハビリテーションは科学的なエビデンスだけで語れるものではない。

患者や利用者の思いや価値観もリハビリテーションサービスでは求められる。

ただし、患者や利用者の思いや価値観から必要とされるリハビリテーションサービスは今後、保険外サービスに移行していくと考えられる。

つまり、今後は保険内サービス・保険外サービスのリハビリテーションが社会に存在する時代になる。

医療費・介護費用の圧縮により理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の働き方は変わらざる得ない。

 

 

 

 

 

 

通所リハビリテーション・訪問リハビリテーション・訪問看護の差別化の本格議論が開始

2018年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けて、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、訪問看護ステーションの差別化の本格議論がスタートした。

2017年3月13日 介護給付分科会にて「通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション等の中重度者等へのリハビリテーション内容等の実態把握調査事業(結果概要)案」が発表された。

詳細は
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000154605.pdf
をよりダウンロードしてご確認をいただきたい。

今後、この報告をもとに議論が活発化されていくと考えられる。

通所介護と通所リハビリテーションの違い
訪問リハビリテーションと訪問看護からのリハビリテーションの違い
が不明確であることが問題になっている。

通所介護は2006年あたりから、急激に増加し、特にリハビリテーションサービスを主体とする通所介護が増えた。そのため、通所リハビリテーションと変わらないサービス内容になったため、通所介護と通所リハビリテーションの違いが不明確になった。

また、2010年以降、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が訪問看護ステーションを開設する事例が増加し、訪問リハビリテーションを主体とする訪問看護ステーションが増加した。そのため、訪問リハビリテーションと訪問看護ステーションの違いも不明確になってきた。

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このように、類似した機能を持つ事業所が数多くある状況は決して望ましいものではない。

入院医療において類似した機能を持つ医療機関が乱立したことによる入院医療費の非効率は、現在も社会保障費増加の要因となっている。

したがって、通所介護、通所リハビリテーション、訪問看護の機能的な役割に関しては明確なすみわけが必要である。

2015年度介護報酬改定の内容より、通所介護は社会参加の場、通所リハビリテーションは心身機能、活動、参加の改善の場、訪問看護ステーションは医療必要度の高い方のケアの場という機能分担が進んでいる。

今後もこの傾向は進んでいくと考えられる。

2018年度診療報酬・介護報酬改定まであと1年。

通所介護・通所リハビリテーション・訪問看護の経営者・運営者は今一度、今後の事業の在り方を検討する必要があるだろう。