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PT大沼俊博の臨床のノート ベッドからの起き上がり動作

今回は腰部の手術後の方についてのお話です。

術後まもなくの運動療法では離床のために、起き上がり、座位保持、車椅子へのトランスファーや歩行器歩行を行なっていきます。

術後において、患者さん自身にてトイレで用を足すことは、ご本人様や支援をさせて頂くスタッフにとっては早期から獲得したい動作です。

腰椎を固定するような術後では、硬性のコルセットを装着され、体幹は動かさない条件にて起き上がりを考えていくことになります。

術前においても術後を想定し、腰部に負担が無いような起き上がりや立ち上がり方、歩行器歩行、トイレ動作の練習を実施しておきます。

そのうえで術後の離床場面におきましては、患者さんの痛みの症状をお伺いし、セラピストも丁寧に配慮をしなから起き上がりを誘導していきます。

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『腰に負担と痛みがなく、ゆっくり、ゆっくりと…。』

心のなかでこう思いながら電動ベッドを少しずつ起こしていきます。この時、患部に痛みがないか、慎重に気を配る必要があります。

ギャッジアップを適宜30度〜40度ほどおこない、痛みが無ければそこから下腿をベッド端から降ろしていくことにつなげます。

起き上がる側の股関節を外転、反対側の股関節を内転、これをちょこちょこと繰り返し、両側の下腿を少しずつベッド端から降ろします。

その上で患者さんにはベッド柵を掴んで頂き、そこからセラピストは患者さんの後頭部や肩甲帯あたりから股関節屈曲などの運動をサポートすると共に、患者さんの殿部での支持に移行して頂き、端座位になります。

この時が一番緊張しますが、患者さんから『大丈夫…。いけるっ。』と言って頂いた際には、こちらも気持ちがふっと楽になります。

最初は痛みに応じて座位保持練習を行い、そのうえでベッド柵を掴みながらでも立ち上がることができれば歩行器歩行や伝い歩きにつながり、離床に向かうことになるでしょう。

今回は、腰部の術後の離床を目的とした起き上がり場面において、私がいつも緊張するひとコマをご紹介させて頂きました。

臨床での起き上がり方のご参考になさって頂ければ幸いです。

執筆者
大沼 俊博 PT, M.S. (Health Sciences)
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六地蔵総合病院 リハビリテーションセンター 副センター長
関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科 助教
関西理学療法学会 理事
関西理学療法学会 神経疾患理学療法 認定講師
関西理学療法学会 基礎理学療法 認定講師
株式会社WorkShift セミナー事業部