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PT大沼俊博の臨床家ノート 内腹斜筋と外腹斜筋の謎 (その1)

以前のお話のなかで内腹斜筋を単独で触診可能な部位は、上前腸骨棘の下方2cmの水平線上内側の位置ですというお話をさせて頂きました。

これは内腹斜筋の骨盤内の横線維の活動を反映する部位となります。

また外腹斜筋を単独で触診可能な部位として、第8肋骨下縁の部位のご紹介をさせて頂きました。

これは肋骨と腹直筋鞘の間を走行する外腹斜筋の斜行線維の活動を反映する部位となります。

今回のお話では、内腹斜筋、外腹斜筋の単独部位以外で内腹斜筋と外腹斜筋が重層する部位についても触れさせて頂きます。

内腹斜筋単独部位、外腹斜筋単独部位以外の部位、すなわち内外腹斜筋重層部位は広い範囲となります。

2009年頃から、私達の研究にて内腹斜筋と外腹斜筋が重層するエリアに多くの電極を配置し、様々な課題において筋電図学的研究を進めてまいりました。

あるとき、内腹斜筋と外腹斜筋の単独部位と共に、内外腹斜筋重層部位に複数の電極を配置し、立位における筋電図波形について検討してみたのです。

このときの筋電図波形をみた瞬間、衝撃が走りました。

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内腹斜筋単独部位と共に、両側の腸骨稜を結ぶ線より下部で骨盤内の内外腹斜筋重層部位において、内腹斜筋単独部位と同様の筋活動の増大と共に類似波形を認めたのです。

すなわち立位では、骨盤内に位置する腹斜筋において筋活動の増大を認めることが判明しました。

この時の解釈として、骨盤内の内外腹斜筋重層部位においては、内腹斜筋単独部位と同様の波形パターンであることから、内腹斜筋の横線維の活動を反映しているものと考えました。

何人もの被験者の方において、背臥位では全電極の振幅は静かなものであり、立位になると内腹斜筋横線維のエリアの筋活動が増大しました。何度繰り返しても同じ波形を認めたのです。

なぜなんだ?? と大きな疑問を持ちました。

今回のお話から、立位においては、内腹斜筋の横線維の筋活動が増大することをお伝えできていれば幸いです。

今後もこの臨床家ノートにて、内腹斜筋と外腹斜筋の謎の解明を進めていきたいと思います。

執筆者
大沼 俊博 PT, M.S. (Health Sciences)
oonuma
六地蔵総合病院 リハビリテーションセンター 副センター長
関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科 助教
関西理学療法学会 理事
関西理学療法学会 神経疾患理学療法 認定講師
関西理学療法学会 基礎理学療法 認定講師
株式会社WorkShift セミナー事業部