大沼

PT大沼俊博の臨床家ノート 内腹斜筋と外腹斜筋の謎 (その2)

以前、立位において骨盤内の内腹斜筋横線維の活動が増大するというお話をさせて頂きました。

なぜ内腹斜筋横線維だけが働くのでしょうか。

現在考えている要因は2つあります。

今回は1つ目の要因についてのお話です。

立位においては仙腸関節には剪断されようとする力が働くと考えています。

直立位では両下肢支持に伴い、両大腿骨頭と両臼蓋を介して両寛骨には床からの反力がかかり、これと共にに仙骨では脊柱を介して胸郭、頭部、両上肢の重みにより床面方向へ下げられようとする力が生じると考えています。

これにより両側の仙腸関節では剪断されようとする力が働いていると考えているのです。

そこで内腹斜筋の横線維がその剪断されようとする力を防ぐ作用として関与しているだろうと考えています。

仙腸関節を前面からパッキングする働きであると。

また素朴に骨盤内の外腹斜筋については、なぜ仙腸関節に生じる剪断力に対しては関与しないのか?と疑問が湧きます。
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これについては骨盤内の外腹斜筋は斜行していることを考慮しますと、仙腸関節に生じる剪断力を防ぐ作用としての関与は少ないものと考えています。

そこで我々の運動療法にて、直立位における内腹斜筋と外腹斜筋の筋活動を考えていく場合、とくに両側の仙腸関節に生じると考えられる剪断されようとする働きを防ぐ作用として関与する骨盤内の内腹斜筋横線維の活動を評価し、アプローチをおこなう必要があると考えています。

臨床での立位評価時にお役立て頂ければ幸いです。

執筆者
大沼 俊博 PT, M.S. (Health Sciences)
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六地蔵総合病院 リハビリテーションセンター 副センター長
関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科 助教
関西理学療法学会 理事
関西理学療法学会 神経疾患理学療法 認定講師
関西理学療法学会 基礎理学療法 認定講師
株式会社WorkShift セミナー事業部