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PT大沼俊博の臨床家ノート 外腹斜筋の斜行線維の筋緊張低下のみかた

今回は外腹斜筋の斜行線維のお話です。

外腹斜筋の斜行線維は肋骨から腹直筋鞘にかけて走行する線維です。

一側の外腹斜筋斜行線維が収縮しますと、肋骨と腹直筋鞘が近づきますので、胸郭は同側で下制します。

この時、胸腰部は屈曲と同側側屈、わずかに反対側回旋を伴う複合肢位になるかと考えます。

立位姿勢において、一側の外腹斜筋斜行線維の筋緊張が低下している場合はどうでしょうか。

ここでは例として右側を筋緊張低下側としてお話をさせて頂きます。

起こりうる運動肢位として、胸郭は右下制し、胸腰部は屈曲、右側屈、ごくわずかに左回旋位になると考えられます。

筋緊張低下を認める右側の外腹斜筋斜行線維は、従重力により短縮位となるためです。
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一側の外腹斜筋斜行線維に筋緊張低下を認め、胸郭が下制している際、実際に体表から筋の状況を視診にて確認してみますと、皮膚にしわがみられることがしばしばあります。

これは見た目からも筋緊張低下が伺えるでしょう。

この状況から、後は触診にて確定診断をしていきます。

皮膚、筋への触診において私が気をつけていることとして、筋緊張検査ではそっと自分の指腹を患者さんの皮膚の上にあてるようにしています。

ぐいぐいと筋に押し込むように触診すると筋緊張は変化してしまいますし、筋緊張が正常か、それとも低下かを判定する際に迷いが生じてしまいます。

そのため私はそっと指をあてることをおすすめします。

筋緊張が低い様相を示す皮膚のしわや、体表からみて外腹斜筋の斜行線維のエリアがへこんで見えるなど、明らかに筋緊張低下が想定される目の前の状況に対し、指腹をそっとあててみて下さい。

皮膚や筋短縮に至っていなければ、おそらく柔らく感じることでしょう。

さらには患者さんの呼吸を感じながら検査を実施してみて下さい。

筋緊張が低下している際には、患者さんの呼気時においてセラピストの指が腹部に沈み込んでいく感じを受けるかと思います。

このような思考で筋緊張低下が伺える外腹斜筋斜行線維に対して筋緊張検査をお試し頂ければと考えます。

繊細かつ適切な筋緊張検査の実践につながることへのお役に立てれば幸いです。

執筆者
大沼 俊博  PT, M.S. (Health Sciences)oonuma

六地蔵総合病院 リハビリテーションセンター 副センター長
関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科 助教
関西理学療法学会 理事
関西理学療法学会 神経疾患理学療法 認定講師
関西理学療法学会 基礎理学療法 認定講師
株式会社WorkShift セミナー事業部