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PT大沼俊博の臨床家ノート 直立位での内腹斜筋、外腹斜筋の活動について

以前のお話のなかで、立位では両側の腸骨稜を結ぶ線より下部の内腹斜筋横線維の活動が、両側の仙腸関節に生じる剪断力を防ぐ作用への制御、また立位にて腹腔内臓器が重力の影響を受けて下がろうとする働きの制御の双方に関与することへの可能性をお伝えさせて頂きました。

今回は直立位における両側の腸骨稜を結ぶ線より上部の領域の内腹斜筋、外腹斜筋について考えていきたいと思います。

直立位では、脊柱の生理的弯曲を保つための脊柱起立筋の活動により、体幹の肢位保持が可能になると考えられます。

腹筋の活動は直立位において必要なのですが、両側の腸骨稜を結ぶ線より上部の内腹斜筋、外腹斜筋はそれほど頑張りません。

直立位保持のために一定の筋緊張を保つ程度でよいことが、わたしたちの直立位時の内腹斜筋、外腹斜筋の筋活動に関する検討からわかりました。

直立位では主として脊柱起立筋の活動により、生理的な脊柱の弯曲を伴う体幹の姿勢保持が可能になると考えられます。

この際に、腹直筋や内腹斜筋、外腹斜筋の筋緊張が低い場合には、腰椎の前弯が強まってしまい、胸郭と骨盤の間が離れてしまう。大げさに例えますと破けたちょうちんが開いてしまうような感じになることが考えられます。

または腹部の筋が従重力位で短縮位となることで腰椎や胸腰椎移行部にて屈曲が生じ、胸郭と骨盤の間が前面で近づくことが考えられます。

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現在の見解として、直立位では両側の腸骨稜を結ぶ線より上部の内腹斜筋、外腹斜筋は一定の筋緊張を保つ程度のわずかな活動でよいと考えています。

臨床での評価を考えますと、体幹では脊柱の生理的弯曲が保たれていることにより、腹部は見た目にも張りがみられます。

このときに胸郭と骨盤の間が離れすぎていないか、または胸郭と骨盤の間が近づきすぎていないかの確認をし、内腹斜筋、外腹斜筋の筋緊張を視診、触診にて評価しています。

まとめますと、直立位においては両側の腸骨稜を結ぶ線より上部の内腹斜筋・外腹斜筋は、胸腰椎の生理的弯曲が保たれることに伴い、一定の筋緊張を維持できていることが大切であり、その筋の領域の張りを見た目や触診にて確認し、評価をおこなう必要があると考えています。

執筆者
大沼 俊博 PT, M.S. (Health Sciences)
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六地蔵総合病院 リハビリテーションセンター 副センター長
関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科 助教
関西理学療法学会 理事
関西理学療法学会 神経疾患理学療法 認定講師
関西理学療法学会 基礎理学療法 認定講師
株式会社WorkShift セミナー事業部