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PT山口剛司の臨床家ノート 足部のみかたシリーズ その1

セラピストにとって、患者の『足』を触る機会は、少なからず一日に一回以上は、あるのではないでしょうか?

セラピストが足を触る理由は、その目的によって様々ですが、ただ硬いからとか、何となくと思って触るよりも、『触ることでどうなるか』、を化説レベルで良いので、自分の頭の中で、明確にしておくことが重要です。

これは、足に関わらず、他の身体部位でも、何関節・何筋を触る時でも同じことが言えますし、おそらく熟練のセラピストほど、明確に目的を持って接触していると思います。

では、この『足』を触る意味を考えてみましょう。

私が足を触る理由は、①足に疾患を持つ場合、②足で身体運動をコントロールする場合、という二つに大別されます。その他にも色んな考え方がある中で、例えば反射区を用いて内蔵系の調整をしたり、全身の骨格調整をしたりすることもあるかもしれません。

私は、臨床において後者②の足の疾患以外の方を、足を用いて身体運動をコントロールして、身体のある部分に過負荷がかかるのを分散する考え方を大事にしてきました。

これは、『治療』という概念のみでなく、そこから更なるパフォーマンスの向上にもつながる可能性があるからです。

なぜ足でコントロールができるのかと申し上げますと、唯一地面に接しているのは、足のみで、この使い方により、動きが連鎖的に全身にまで作用するという法則があるからです。

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これを『運動連鎖』とよびますが、中でも足から全身に作用する連鎖を上向性運動連鎖と呼びます。この連鎖の法則は、古くからテキストに記載されており、この法則を見抜いた先人の学者には、ただただ尊敬する次第であります。

臨床において、足はどうしても見逃しやすい部位といっても過言ではありません。

しかしながらまずは、足からの身体運動の調整という観点を、是非取り入れてみてください。

今後は、この足の診かたを少しずつご紹介していきたいと思います。

執筆者
山口剛司 PT, mysole®Grand Meister
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理学療法士
運動器疾患、スポーツ選手の臨床が豊富で、現在はインソール作成会社に勤務している。

足部・足関節の関節可動域、筋力、アライメントなどの関節機能や歩行などの動作分析を行い、個人に適したインソールを作成するという足部・足関節のスペシャリストである。