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PT楠貴光の臨床家ノート 肩甲骨の機能を運動学的に考える その1

脳血管障害後片麻痺や拘縮肩、腱板損傷患者さまの上肢機能を評価するとき、肩甲上腕関節の評価に合わせて肩甲骨機能についても充分に評価することが大切です。

例えば、上肢の挙上動作時には、肩甲骨がきれいに上方回旋することができているかを視診や触診で評価すると考えられます。

どのように評価されているでしょうか。

肩甲骨機能の評価では、

・肩甲上腕リズム

・肩鎖関節、胸鎖関節の関係性

・肩甲骨周囲筋の筋力や筋緊張の問題

・肩甲骨と体幹機能の関係性

・遠位に位置する手や前腕、肘関節と肩甲骨機能の関係性など・・・。

あらゆる視点から評価し、運動学的に解釈することで、問題点は解決できます。

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はたして、きれいに肩甲骨が上方回旋するとは、どういった状況でしょう。

肩甲骨の運動は、肩甲胸郭関節での動きとして、表現されることが多いです。

肩甲胸郭関節での肩甲骨の動きは、肩鎖関節と胸鎖関節の運動が複合されて生じると、古くから知られています(Inman 1944)。

運動の組み合わせにより、多くのバリエーションをもつことからも、実際にどの関節でどんな運動が生じているかを明確にする必要があります。

一度、肩甲胸郭関節での肩甲骨の動きを『現象』、実際の肩鎖関節、胸郭関節での動きを『運動』として、分けて観察してみて下さい。

単に肩甲骨の動きを『現象』レベルに留めていては明確にならなかった問題点が、『運動』が何かを考えることで明確になってきます。

今後、この臨床家ノートを通して、基本的な知識のおさらいから、臨床での出会いや気づき、これまでの研究結果の臨床応用を運動学的な観点からご紹介させて頂ければと考えています。

執筆者
楠 貴光先生
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六地蔵総合病院 リハビリテーション科
上肢機能に関する学会・論文発表が多数
臨床と研究を組み合わせて高いリハビリテーション効果を出している若手臨床家